2018年10月3日 星期三

科学は多数決ではない

 本庶佑京都大特別教授が2018年ノーベル医学生理学賞の共同受賞者に選ばれ、日本のノーベル科学賞受賞者は23人になった。「科学強国」日本が改めて証明された。ノーベル科学賞受賞者が一人も出ていない韓国としては日本をうらやましく感じるしかない。

 韓国はこれまで経済発展戦略で「追撃型」技術開発に集中し、日本に比べて基礎科学を軽視してきた。2000年代以降、「脱追撃型」に転換するために基礎科学に視線を向け始めた。この時からノーベル賞シーズンを迎えるたびに「ひょっとすると」という期待を隠していないが、短期間での成は期待しにくい。

 専門家らは日本がノーベル科学賞受賞者を相次いで輩出する要因を大きく2つ挙げている。基礎科学に対する集中的な投資と長期間にわたり研究に没入できる文化だ。韓国で盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権、李明博(イ・ミョンバク)政権、朴槿恵(パク・クネ)政権に続いて文在寅(ムン・ジェイン)政権が基礎科学への投資を着実に増やしているのは良い方向だ。問題は韓国では科学者が長期間にわたり一つの分野の研究に没頭するのが容易でないという現実だ。政権が交代すれば科学政策も変わる。政権が好む分野があればすべての研究が予算を確保するためにその方向に傾く。基礎科学への投資をいくら増やしてもこうした研究風土ではノーベル科学賞の受賞者を輩出するのは難しい。

 本庶教授が「日本の基礎科学分野の若い人が元気づけられることを願う」としながら述べた所感は、ノーベル科学賞が空から落ちてくるのではないという点を悟らせる。「物事に不可能はない。必ず道があるとの思いでやってきた」「時代を変える研究をするには好奇心、勇気、挑戦、確信、集中、連続が必要」「科学は多数決ではない。既存の概念を壊す少数派の中からこそ新しい成果が生まれる」。こうした研究文化は一日で築かれるものではない。

 我々が依然として日本から学ぶべきことが多いことを見せている。日本をノーベル科学賞強国に導いた科学政策を謙虚な姿勢で学ばなければいけない。

※本記事の原文著作権は「韓国経済新聞社」にあり、中央日報日本語版で翻訳しサービスします。

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